POEMS 中村叶の詩
きいちゃんの浴衣 感想・意見(千葉県私立某高校 高校2年生)

「青年と路」
=高校2年生の選択講座(内容:前期に青年期の特徴、後期に先哲の思想と生き方)


産まれるってなあに
きいちゃんの浴衣」を聞いての感想を書いて下さい。


お母さんの気持ちが凄い辛い。てか、望まれないで生まれて来る子なんて本当にいないんじゃないかな。私は「きいちゃん」を聞いて、いくら不自由な子でも、生きている事、必要とされている事は変わりないんだと思った。私も常日頃、自分なんて居ても、居なくても一緒と思っていた。親、兄弟も私が居なくても逆に楽なんじゃないかと思います。何度も、何度も「死のう」とか思ったりしました。今でも1つ嫌な事があると「死」ヘマイナスにネガティブに考えます。でも「きいちゃん」の強さは凄いと思う。私だったら周りや親、兄弟を気にして自分から命を絶ってしまうかもしれません。きいちゃんは凄く心が強い子なんだと思う。私は、きいちゃんのように周りに愛されていないかも知れない。世の中で必要のなくなった人間は、どうなるんだろう。人間もリサイクルされるのか……。きいちゃんのお姉ちゃんや、お母さんは本当にきいちゃんが大事なんだろうと思った。血のつながりだけじゃなく、家族は絶対に「奇跡」をいくつも持っていると思う。

私がきいちゃんのお母さんだったら、どっちも可愛い娘だし、お姉ちゃんの事を思ってきいちゃんには「結婚式には出ないで」と言うと思う。きいちゃんを傷つけれぱお姉さんは幸せになれるか、お姉さんをきいちゃんの体の事で辛い思いをさせるかお母さんは、そ一と一悩んだと思う。結婚式できいちゃんをお姉さんが「来て」と呼んだ時も「無理をして呼んだのではないか」と、お母さんは内心とてもドキドキしていたと思う。お姉さんがきいちゃんの事を結婚式で話した時、お姉さんがこんなふうに思っていてくれた事をとても嬉しく思ったと思う。私が親ならこの子らを産んで良かったと思うし、きいちゃんにも、お姉さんにもとても感謝すると思う。

始め、私はきいちゃんの事をかわいそうだなあって思ってしまった。でも、物語を聞いていくうちに、そんな事ちっともないんだなあって思えた。きいちゃんは、たくさんの人に愛されて凄く幸せなんだなぁって思った。たとえ手や足が不自由でも幸せに思えるって素晴らしいと思う。この先、きいちゃんは生きて行く上で障害を持っているから色々大変だと思うけど、お母さんや、お姉さん、たくさんの温かい人達に見守られているから、きっと頑張れると思う。それにきいちゃん自身も自分の障害の事をちっとも恥ずかしく思ったりしない、そんなきいちゃんの強くて輝いている所を私も見習っていきたい。

話〔し〕を聞いて凄く、この家族にあこがれた。きいちゃんも、お母さんも、お姉さんも、みんなそれぞれの気持ちを考えていた。手足が不自由なきいちゃんが浴衣を縫うなんて、お姉さんからしたらこの上なく嬉しいと恩うし、私がきいちゃんの姉だったら思わず抱きしめてあげたくなると思う。話〔し〕を聞いていて最後の方に気付けば涙が出ていた。家族って温かいなって。障害のある人の家庭では無条件に壊れてしまうものだと思っていた自分が恥ずかしい。私の家に障害を持った人はいないが、もしいたら私ならどうしたろう。失礼だけどきっとこの家族みたいにはならないと思う。たぶん家に障害のある人がいる事を隠している。ましてや結婚式で堂々と来てくれた人達に話すなんて無理だと悪う。こんなに家族想いの優しい人になれたらって強く思った。

この世には決して生まれなけれぱいい人間などいないと思います。なぜならぱ人は生きている事に意味があるからだと思うのです。きいちゃんという子はとても立派で強い子だと感じました。自分だけが家族の人達と家で暮らす事ができなくなってしまったのに、誰も憎んだりせず明るく姉の緒婚式に出る事がとっても嬉しく思っている。きいちゃんは私達にとって、とても大切なお手本のような子だと思いました。手と足が思うように動かせなくても、親から結婚式に出てほしくないと言われても姉の為に一入で一生懸命に着物を縫ったきいちゃんだからこそ、立派な着物が仕上がったんだと思います。今の私達は何故ちょっとした事で「生まれてこなけれぱ良かった」などと考えてしまうのだろうと考えさせられる話しでした。家族や姉妹という存在は、私が思っていたよりとても深い「絆」で結ばれているんだなと思いました。この話〔し〕をきっかけに、私もきいちゃんの様に強く、元気に、そして自分は自分らしく立派に生きて行こうと思います。

私はきいちゃんの事を凄く強い子だと思いました。物心ついた時から周りの友達と違う不自由な体を持つ自分を嫌だとか、心ない人達の目を気にして生きて来たと思います。それなのに母親から楽しみにしていた姉の結婚式に出ないでくれと言われた自分を悲しいと責めてしまったと思います。けれど「産まれてこなければ良かった」と思うほど、自分に自信をなくしていたのに、先生に何かプレゼントを作ろうと言われ、手が上手く動かなくて大変な(私でさえ難しいと思う)浴衣を作ってあげたきいちゃんは凄いと思うし感動しました。いつか、きいちゃんがもっと大人になって先生のように母親が姉を思いやって言ってしまった言棄なんだと分かる日が来ると良いなと思いました。そして、産まれて来て良かったと誇りを時って生きて行って欲しいと思いました。

きいちゃんの話〔し〕を聞いて、私はきいちゃんという人物が凄く頑張り屋だと思いました。お姉さんのために一生懸命に浴衣を縫って、自分の手足が不自由で無理かもしれない事にもめげずに頑張っているきいちゃんは、誰よりも頑張り屋だと思います。結婚武には出ないで欲しいと言ったお母さんの気持ちは、きいちゃんと、お姉さん両方の事を思っての事だと思います。でも、それに対して「自分なんか生まれなきゃ良かった」って思うきいちゃんの気持ちも分かるけど、生まれてこなきゃ良かった人なんていないから、どんな事があっても、そんな事は思っちゃいけないと思う。ましてや口に出しちゃけない言葉だと思う。でも、そういう辛さを乗り越えて一生懸命に浴衣を縫ったきいちゃんの前向きな生き方は素晴らしいと思う。最後にお姉さんから自分を紹介してもらった時の嬉しさは何にも変えられないと思う。

私の親戚に身体の不自由な人がいるから、なんか人事(ひとごと)には思えなかった。私は、(身体が)不自由ではないからその人達の気持ちとかはよく分からない。だから想像する事しか出来ないけど、周りの目とか気にしてしまうんじゃないかと思う。でも「五体不滴足」の著者である乙武さんみたいに車を運転したり、スポーツをしたりする事もできる人もいるから劣ってはいないと思う。生まれもったモノはそこまで必要じゃないと私は思う。もっと大切な事は、どう生きるかってところだ。いくら自由な身体をもっていても使わなければ意味がない。だから人の価値は、どう生きたかだと思う。
                    話〔し〕=話(はなし・名詞)


中村叶より

N
先生ありがとうございます。拙い詩を授業にご活用いただき、嬉しく思います。

山元加津子先生の著書『きいちゃん』に出ている実話を私なりに詩にしたものですが、あえて詩に盛り込まなかった情報、きいちゃんが親元を離れ、家族と離れて養護学校にいること、そして「結婚式に出ないでほしい」と言われたあと、お母さんに「私なんてうまなければよかったのに」と言ってしまったこと、などを、先生はお話しになったのですね。
「自分なんか生まれなきゃ良かった」って思うきいちゃんの気持ちも分かるけど、生まれてこなきゃ良かった人なんていないから、どんな事があっても、そんな事は思っちゃいけないと思う。ましてや口に出しちゃけない言葉だと思う。
という生徒さんの言葉は立派ですね。感動しました。

<望まれないで生まれて来る子なんて本当にいないんじゃないか>とか
<この世には決して生まれなけれぱいい人間などいないと思います。なぜならぱ人は生きている事に意味があるからだと思うのです>とか
<人の価値は、どう生きたかだと思う>とか
いう言葉を、「いまどきの」高校生が「自ら進んで」言うことはすごいことですね。(「いまどきの」高校生に対する偏見に満ちたステレオタイプの言葉、お許しください)。

それとともに、自分の内面をさらけだしているように感じられるところもあり、生徒たちのN先生に対する信頼に厚いものがあると拝察されました。

中村叶の詩
INDEX


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POEMS 中村叶の詩   この「感想・意見」への『きいちゃん』著者・山元加津子先生の言葉
著作権等について において、「詩を教育目的(学校の授業等)で使用する場合には、ご一報いただければ原則的にご使用を可といたします。その際に(義務づけではありませんが)使用後の児童・生徒等の感想や意見等をお知らせくだされば幸いです。」と書きました。
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